ADHD
-本質を読み解く-
子どもの今を理解し、
未来の選択肢を増やすために
「授業中に大声を出した」「注意すると物を投げる」「どうせ僕はダメだ、と言う」——学校や家庭でこうした場面を繰り返し目にしている方は、少なくないと思います。優しく伝える、事前に予定を知らせる、褒める、時には叱る。それでも同じことが繰り返されると、「このまま大人になって、社会でやっていけるのだろうか」という不安が積み重なっていきます。
ADHDには不注意・多動性・衝動性という特性がありますが、暴言や癇癪、不登校、自己否定的な言葉のすべてを、その一語だけで説明することはできません。同じ診断を持つ子どもでも、日によって、場所によって、様子が大きく変わることがあるからです。
本セミナーでは、目の前の困りごとを「特性(Trait)× 状態(State)× 負荷(Demand)」という枠組みで捉え直します。変えにくい特性だけに注目するのではなく、睡眠・感覚・身体の状態や、その場で求められる負荷にも目を向けることで、初めて見えてくるものがあります。
子どもの行動を「性格」や「しつけ」の問題として片付けず、脳機能と発達の視点から整理し直す。そのための知識と考え方を、全7章にわたってお伝えします。
Curriculum
全7章の内容
Module 01
ADHDの本質とは何か
ADHDの本質は、不注意や多動といった行動そのものではなく、それによって生活の中に生じる「困りごと」です。困難の大きさは特性だけで決まるのではなく、特性・状態・負荷という3つの組み合わせによって変わります。このセミナー全体を貫く、中心となる考え方を最初にお伝えします。
Module 02
「特性」を理解する——ADHDとは何か
ADHDの医学的な定義や診断の考え方、不注意優勢・多動衝動優勢・混合という現れ方のタイプ、男女差や年齢による違い、遺伝的な背景までを整理します。同じ診断名でも、一人ひとりが持つ特性の組み合わせは異なることを理解していきます。
Module 03
「特性」はどのように行動になるのか
前頭前野やドーパミンの働きなど、脳の仕組みから「始められない」「待てない」「感情が爆発する」といった行動を読み解きます。感覚・運動・発達初期のサインにも触れながら、行動の背景にある機能を具体的に見ていきます。
Module 04
「状態」が特性の現れ方を変える
同じ子どもでも、日によって、時間帯によって様子が違って見える理由を、覚醒状態・睡眠・自律神経・ホルモンバランスといった「状態」の視点から解説します。特性は固定されたものではなく、状態次第で現れ方が変化することを学びます。
Module 05
「負荷」が困難を表面化させる
学校や家庭で「何を求められているか」という環境側の負荷に注目します。叱責と失敗が繰り返される悪循環や、不登校・自己肯定感の低下といった二次的な問題がどのように生まれていくのかを整理します。
Module 06
成長とともに「特性・状態・負荷」はどう変わるか
幼児期から成人期、さらに加齢期に至るまで、困難の中身がどのように移り変わっていくのかを追います。「症状が減った=問題がなくなった」わけではないという視点も含め、生涯を通じたケアの考え方をお伝えします。
Module 07
困りごとを、適切な行動へつなげる
ここまでの内容を、家庭や臨床の現場で実際に使える「評価と支援の順序」に落とし込みます。薬物療法・心理支援・学校支援・家庭支援・機能的神経学的ケアなど、それぞれの役割を整理し、明日から活かせる視点を持ち帰っていただきます。